空飛ぶクルマ?
「クルマはエンストしても停車するだけ、飛行機がエンストしたら墜落大惨事。だから造る技術のレベルが違う。」と三菱自動車の方に言われたことがあります。45年程前、三菱重工から自動車部門が独立して5年たった頃でした。
当時、トヨタで各社のクルマを乗り比べていましたが、三菱のエンジンは確かに静かで不要な振動もなく飛行機屋さんの言うとおりだと思いました。
近頃、「空飛ぶクルマ」の開発や、それを使った運輸事業の話が耳に入ってきます。
離島との荷物や人員の輸送なら渡船の方が圧倒的に低コストで安全です。
救急搬送や遊覧飛行ならヘリコプターやセスナがあります。なぜ、クルマが今更空を飛ばなければいけないのか不思議です。
過疎地などで小さな荷物をラスト1マイル運ぶドローンなら既にあります。
ここ数十年技術進化がほとんどないヘリコプターを最新技術でより安全にするというのもわかります。
ただ、年間1万人以上あった自動車交通事故死がやっと3千人程度にまで改善された今、「クルマを空に浮かせる」という発想には賛成しかねます。